アブラハム・クルーガー
Avraham N. Kluger
フィードバックが成果をむしろ下げてしまう場合があることをメタ分析で示し、その後は「伝える」より「聴く」ことの効果を測る研究へ進んだ。ヘブライ大学の心理学者である。
- 肩書き
- 心理学者。フィードバック介入理論の共同提唱者
- 活動した国
- イスラエル
- 分野
- 学習・フィードバック
- 収録した言葉
- 1件
何をした人か
一九九六年、デニシとの共同で、一世紀分のフィードバック研究を整理し六百を超える効果量を統合した。平均すれば成果は上がるものの、およそ三分の一の事例では下がっていた。二人はこれを、フィードバックが受け手の注意を課題そのものから自己(自尊心の防衛)へ引き寄せるためだと説明し、フィードバック介入理論として定式化した。以後クルーガーは、過去の欠点を指摘する面談ではなく、うまくいった経験を語ってもらう「フィードフォワード面談」を設計した。近年は聴くこと自体を独立変数として扱い、質の高い傾聴が話し手の不安と防衛を下げ、態度の複雑さを増すことを実験で示している。
その後、どう扱われているか
フィードバックが常に有効ではないという結論は、以後の研究の前提になった。ただし元のメタ分析は実験室研究を多く含み、職場の面談への一般化には慎重さがいる。傾聴研究のほうは、実験で効果が確認されているものの、標本は比較的小さく、追試の蓄積はまだ途上である。フィードフォワード面談も有望な結果は出ているが、通常の評価面談と直接比較した大規模な検証は行われていない。方向は支持されているが、効果量の確定はこれからである。
主著・主要論文
- Kluger, A. N., & DeNisi, A. (1996). The effects of feedback interventions on performance: A historical review, a meta-analysis, and a preliminary feedback intervention theory. Psychological Bulletin, 119(2), 254–284.
- Kluger, A. N., & Nir, D. (2010). The feedforward interview. Human Resource Management Review, 20(3), 235–246.
- Itzchakov, G., & Kluger, A. N. (2017). Can holding a stick improve listening at work? The effect of Listening Circles on employees' emotions and cognitions. European Journal of Work and Organizational Psychology, 26(5), 663–676.
- Kluger, A. N., & Itzchakov, G. (2022). The power of listening at work. Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior, 9, 121–146.
刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。