C・K・プラハラード
C. K. Prahalad(1941–2010)
企業の競争力を、事業の並びではなく組織に蓄積された学習の束として捉え直した経営学者である。ミシガン大学で長く教え、貧困層を市場として見る議論でも大きな論争を起こした。
- 肩書き
- 経営学者。コア・コンピタンス論の提唱者
- 活動した国
- インド→アメリカ
- 生没
- 1941–2010
- 分野
- 経営・マネジメント
- 収録した言葉
- 1件
何をした人か
ゲイリー・ハメルとの共同で、企業を事業単位の集合ではなく能力の集合として見るべきだと論じた。コア・コンピタンスとは、多様な市場に展開でき、顧客が感じる価値に明確に寄与し、競合が真似しにくい、組織を横断する集団的な学習を指す。ここから、現有資源の範囲で計画するのではなく、資源と野心のあいだに意図的に差を作って組織を伸ばす「戦略的意図」の考え方を導いた。後年には、企業と顧客が価値を共に作るという共創の議論を展開し、さらに世界の低所得層を援助の対象ではなく購買力をもつ市場と捉える「ピラミッドの底辺」の議論を提示した。
その後、どう扱われているか
コア・コンピタンスは資源ベースの戦略論と結びつき、実務の語彙として定着した。ただし操作化は難しく、成功した企業の能力を事後に「コア」と名づけているだけではないかという循環論法の批判が続いている。ピラミッドの底辺論は、より強い異論に晒された。Karnani (2007) は、低所得層は消費者としてより生産者・被雇用者として関わるべきであり、購買力を過大評価した推計だと批判している。成功事例として挙げられた個別案件にも、後の検証で疑問が出ている。
よくある誤解
コア・コンピタンスは「得意なこと」の言い換えではない。複数の市場に展開でき、顧客価値に直結し、模倣が難しいという三条件を満たす組織的な学習を指す。自社の強みの列挙で終わると本来の使い方から外れる。
主著・主要論文
- Prahalad, C. K., & Hamel, G. (1990). The core competence of the corporation. Harvard Business Review, 68(3), 79–91.
- Hamel, G., & Prahalad, C. K. (1994). Competing for the Future. Harvard Business School Press.
- Prahalad, C. K., & Ramaswamy, V. (2004). The Future of Competition: Co-Creating Unique Value with Customers. Harvard Business School Press.
- Prahalad, C. K. (2004). The Fortune at the Bottom of the Pyramid. Wharton School Publishing.
刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。