エヴァンヘリア・デメロウティ
Evangelia Demerouti
職場の条件を「要求」と「資源」の二つに分けるだけで、燃え尽きと働きがいの両方を同じ枠組みで説明する。そのJD-Rモデルを共同で提唱した産業・組織心理学者である。
- 肩書き
- 産業・組織心理学者。JD-Rモデルの共同提唱者
- 活動した国
- ギリシャ→オランダ
- 分野
- モチベーション・働きがい
- 収録した言葉
- 1件
何をした人か
ギリシャのクレタ大学で心理学を学び、ドイツのオルデンブルク大学で博士号を取得した。一九九〇年代末、既存のバーンアウト理論が対人サービス職を前提にしすぎている点と、原因の一覧が職種ごとにばらばらである点に不満を持ち、二〇〇一年にバッカーらとともにJD-Rモデルを提示する。仕事の特性を、消耗をもたらす「職務要求」と、目標達成を助け成長を促す「職務資源」に分け、要求は健康障害のプロセスを、資源は動機づけのプロセスをそれぞれ駆動すると整理した。この二経路の設計により、職種を問わず当てはめられる汎用の枠組みになった。近年はジョブ・クラフティングの測定と介入にも研究を広げ、アイントホーフェン工科大学の教授を務めている。
その後、どう扱われているか
JD-Rモデルは職業性ストレス研究でもっとも使われる枠組みの一つになり、二経路の想定は多くの縦断研究で支持されている。従業員調査の設計にも広く流用された。一方で批判もはっきりしている。何を要求とし何を資源とするかが理論から演繹されないため、事後的にどんな変数でも当てはめられ、反証が難しいという指摘である。資源が要求の悪影響を和らげるという交互作用は、実証結果が一貫しない。介入研究についても、資源を増やす側の効果は確認されつつあるが、要求そのものを減らす介入の証拠はまだ薄い。
よくある誤解
JD-Rは「要求を下げて資源を増やせばよい」という処方箋ではない。要求には成長を促す挑戦的なものも含まれ、モデル自体は何が要求で何が資源かを決めてくれない。その判定は個々の職場の調査に委ねられている。
主著・主要論文
- Demerouti, E., Bakker, A. B., Nachreiner, F., & Schaufeli, W. B. (2001). The job demands-resources model of burnout. Journal of Applied Psychology, 86(3), 499–512.
- Bakker, A. B., & Demerouti, E. (2007). The job demands-resources model: State of the art. Journal of Managerial Psychology, 22(3), 309–328.
- Demerouti, E. (2014). Design your own job through job crafting. European Psychologist, 19(4), 237–247.
- Bakker, A. B., & Demerouti, E. (2017). Job demands-resources theory: Taking stock and looking forward. Journal of Occupational Health Psychology, 22(3), 273–285.
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