ジム・コリンズ
Jim Collins(1958–)
大きく伸びた企業と、伸びなかった同業他社を対にして比べる。その手法で一連の著作を書き、事例の比較にもとづく経営書という型そのものを作りあげた、独立の研究者である。
- 肩書き
- 経営研究者。企業の飛躍を比較分析した著述家
- 活動した国
- アメリカ
- 生没
- 1958–
- 分野
- 経営・マネジメント
- 収録した言葉
- 1件
何をした人か
スタンフォード大学経営大学院で教えたのち、一九九五年にコロラド州ボルダーに独立の研究所を構えた。手法は一貫している。長期の財務データから条件を満たす企業を選び、同時期・同業種の「比較企業」を対にして、何が違ったのかを資料と面接から洗い出す。一九九四年のジェリー・ポラスとの共著では、長寿の優良企業に共通するのはカリスマ経営者ではなく理念と仕組みだと論じた。二〇〇一年の著作では、平凡な業績から飛躍した一一社を選び、個人的な野心を組織へ向ける静かなリーダーシップ、戦略より先に人を選ぶこと、厳しい現実を直視しながら最後には勝つという信念を失わない姿勢などを共通点として挙げている。
その後、どう扱われているか
手法上の弱点は繰り返し指摘されてきた。うまくいった企業を選んでから共通点を探す設計は、同じ特徴を持ちながら失敗した企業を見落とす。資料の多くが報道や関係者の回顧であるため、業績のよい企業は何をしていても好意的に描かれるという「ハロー効果」を避けにくい。ローゼンツワイグはこの点を体系的に批判している。予測力についても、ニンドルフとベックが二〇〇八年、飛躍したとされた一一社の刊行後の株式リターンはS&P500の平均と有意に変わらないと報告した。定説を作る力は強かったが、法則の発見としては成立していない、というのが学術側の評価に近い。
よくある誤解
比較企業を対に置く設計は、成功企業だけを並べる本より慎重ではあるが、選ばれた企業がその後も優れていることを保証しない。実際、刊行後の業績は平均並みだったという検証がある。事例は仮説であって法則ではない。
主著・主要論文
- Collins, J. C., & Porras, J. I. (1994). Built to Last: Successful Habits of Visionary Companies. HarperBusiness.
- Collins, J. (2001). Good to Great: Why Some Companies Make the Leap... and Others Don't. HarperBusiness.
- Collins, J. (2009). How the Mighty Fall. JimCollins.
- Collins, J., & Hansen, M. T. (2011). Great by Choice. HarperBusiness.
刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。