クルト・レヴィン
Kurt Lewin(1890–1947)
行動は人と環境の関数だという定式で、原因を個人の資質だけに求める見方を退けた。研究しながら現実を変えるという方法を提唱し、組織開発とグループ・ダイナミクスの源流になった。
- 肩書き
- 社会心理学者。アクションリサーチと組織開発の源流
- 活動した国
- ドイツ→アメリカ
- 生没
- 1890–1947
- 分野
- 組織開発・変革
- 収録した言葉
- 2件
何をした人か
ベルリン大学でゲシュタルト心理学の流れをくむ研究を行い、一九三三年にアメリカへ移った。人の行動は本人の性質と、その人が置かれた場の力の配置から生じると考え、これを場の理論として展開した。リピット・ホワイトとの実験では、専制・民主・放任という指導の型が集団の雰囲気と作業に与える違いを示した。少数派の問題に取り組む中で、計画・実行・結果の確認をらせん状に回すアクションリサーチを定式化し、研究者と当事者が共に学ぶ形をつくった。MITに集団力学研究センターを設立し、死後に生まれたNTLの感受性訓練へつながった。
その後、どう扱われているか
行動を場の力で説明する見方と、当事者を巻き込んで変えながら学ぶという方法論は、組織開発・参加型研究・教育研究に受け継がれた。他方、彼の名で語られる「解凍・変化・再凍結」は本人の定式ではなく、Cummings, Bridgman & Brown (2016) は死後に他者が三段階として整理したものだと文献をたどって示している。指導型の実験も対象は少年の集団で、企業の管理職にそのまま一般化できる規模ではない。
よくある誤解
「解凍→変化→再凍結」の三段階モデルはレヴィン本人が書いたものではなく、没後に整理された定式である。安定した状態を前提とする点も、本人の力の均衡という考え方とは温度差がある。
主著・主要論文
- Lewin, K. (1935). A Dynamic Theory of Personality. McGraw-Hill.
- Lewin, K., Lippitt, R., & White, R. K. (1939). Patterns of aggressive behavior in experimentally created social climates. Journal of Social Psychology, 10(2), 269–299.
- Lewin, K. (1946). Action research and minority problems. Journal of Social Issues, 2(4), 34–46.
- Lewin, K. (1951). Field Theory in Social Science. Harper & Row.
刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。