メアリー・パーカー・フォレット
Mary Parker Follett(1868–1933)
対立は抑え込むものでも譲り合うものでもなく、双方の望みを同時に満たす第三の案を見つける機会だと説いた。近代マネジメント論の主題をほとんど先取りしていた経営思想家である。
- 肩書き
- 経営思想家。統合による対立解決を説いた先駆者
- 活動した国
- アメリカ
- 生没
- 1868–1933
- 分野
- 対話・関係
- 収録した言葉
- 2件
何をした人か
政治学とソーシャルワークの現場から出発し、後半生を産業経営の講演と執筆に費やした。対立の扱い方を抑圧・妥協・統合の三つに分け、妥協は双方が何かを諦める以上、いずれ同じ問題が戻ってくると論じた。統合とは、互いの表明した要求ではなく、その背後にある本当の望みを取り出して両立させることである。命令は上役の個人的な意思ではなく状況そのものから出るべきだという「状況の法則」、支配する力ではなく共に持つ力という「power-with」の区別も彼女による。権威と責任は職位ではなく機能に伴うという考え方も早くから示していた。
その後、どう扱われているか
統合という考え方は、後の交渉研究で立場ではなく利害に焦点を当てる統合的交渉として定式化され、実験・実務の両面で支持されている。ただし統合が常に可能だという前提は支持されていない。分配的な要素が本質の場面では、統合を探すこと自体が時間の浪費になりうる。フォレット自身は死後長く忘れられ、一九九〇年代にドラッカーらによって再発見された経緯があり、当時の実証的な検証を経た理論ではない点は踏まえる必要がある。
よくある誤解
統合はいわゆる「折衷案」ではない。フォレットは、双方が少しずつ譲る妥協を、問題を先送りする最も弱い解決として明確に退けている。両立させる第三の案を探す作業を指す。
主著・主要論文
- Follett, M. P. (1918). The New State: Group Organization the Solution of Popular Government. Longmans, Green.
- Follett, M. P. (1924). Creative Experience. Longmans, Green.
- Metcalf, H. C., & Urwick, L. (Eds.) (1941). Dynamic Administration: The Collected Papers of Mary Parker Follett. Harper & Brothers.
刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。