パティ・マッコード
Patty McCord
ネットフリックスで一九九八年から二〇一二年まで人事の責任者を務め、同社の考え方を百二十枚あまりのスライドにまとめた「カルチャー・デック」の作成に関わった実務家である。
- 肩書き
- ネットフリックス元最高人事責任者
- 活動した国
- アメリカ
- 分野
- 経営・マネジメント
- 収録した言葉
- 1件
何をした人か
二〇〇九年に公開されたそのスライドは、休暇日数や経費規程といった細かい規則を減らし、会社の利益になるように判断せよという原則に置き換える方針を掲げた。前提には、成果を出せる人だけを採り、その代わりに市場で最も高い水準の報酬を払い、求める水準に届かなくなった人には手厚い退職金を用意して去ってもらう、という人材の入れ替えが組み込まれている。人事の役割を、制度を守らせることから、事業に必要な人の構成をつくることへ移すべきだと主張した。寄稿と著書では、年次の業績評価制度や目標管理を廃し、上司と部下が日常的に交わす率直な対話へ置き換えた経緯を説明している。
その後、どう扱われているか
この文書は多くの企業に模倣されたが、検証という点では一社の事例であり、業績との因果は確かめられていない。指摘されている点は三つある。第一に、高い報酬で人を入れ替える前提が成り立つのは、支払い能力が高く、成果が個人単位で見えやすい業種に限られる。第二に、休暇日数の上限を外す制度については、実際には取得日数が減るという調査報告が複数あり、規則を消すことが自由を増やすとは限らない。第三に、常に入れ替えられうるという緊張は、率直な発言を促す面と、失敗の報告を抑える面の両方を持つ。
よくある誤解
「規則をなくせば自由になる」という要約で引かれやすいが、原文は市場最高水準の報酬と、水準に届かない人に去ってもらう仕組みを前提に置いている。前提を外して規則だけを外せば別物になる。
主著・主要論文
- McCord, P. (2014). How Netflix reinvented HR. Harvard Business Review, 92(1–2), 70–76.
- McCord, P. (2018). Powerful: Building a Culture of Freedom and Responsibility. Silicon Guild.
刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。