レンシス・リッカート
Rensis Likert(1903–1981)
態度を数値で測るリッカート尺度を考案し、ミシガン大学社会調査研究所を率いて、組織の状態を調査で測り、その結果を現場に返して話し合わせる進め方を作った研究者である。
- 肩書き
- 社会心理学者。組織調査と参加型管理の開拓者
- 活動した国
- アメリカ
- 生没
- 1903–1981
- 分野
- 組織開発・変革
- 収録した言葉
- 1件
何をした人か
一九三二年の博士論文で、賛成から反対までの選択肢に答えさせ、複数項目の合計で態度を測る方法を提案した。今日の五件法・七件法の原型である。第二次大戦中は農務省などで世論調査を担当し、一九四六年にミシガン大学へ移って社会調査研究所を設立した。組織研究では、監督者の行動と部門の業績の関係を大規模に調べ、管理のあり方を四つの型に分けている。命令一辺倒の独善的専制型から、集団での意思決定と高い信頼に基づく参加型(システム4)までを並べ、参加型に近いほど業績が高いと主張した。調査結果を管理職と部下の集団に返して解釈を話し合わせるサーベイ・フィードバックの手続きも、この研究所から生まれている。
その後、どう扱われているか
尺度の技法とサーベイ・フィードバックの手続きは、いまも組織調査の標準として使われている。組織開発の介入を比較した研究では、サーベイ・フィードバックは態度の改善に一定の効果が確認される一方、行動や業績への効果は小さいと報告されてきた。システム4の主張のほうは、その後の状況適合理論から批判を受けている。参加型が常に優れているわけではなく、課題の性質や成員の経験によって有効な管理の型は変わるという見方が主流になった。因果の向きも問題で、業績のよい部門だから参加的に運営できるという解釈を排除できていない。
よくある誤解
リッカート尺度という呼び名は定着しているが、彼が提案したのは複数項目の合計点で態度を測る手続きである。個々の設問の選択肢の並びだけを指してリッカート尺度と呼ぶのは、元の定義とはずれる。
主著・主要論文
- Likert, R. (1932). A technique for the measurement of attitudes. Archives of Psychology, 140, 1–55.
- Likert, R. (1961). New Patterns of Management. McGraw-Hill.
- Likert, R. (1967). The Human Organization: Its Management and Value. McGraw-Hill.
刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。