ロバート・ホーガン
Robert Hogan(1937–)
パーソナリティを「自分が思う自分」ではなく「他人からどう見えているか」と定義し直し、その評判こそが仕事の成果を予測すると論じた。管理職の失敗を正面から研究した心理学者である。
- 肩書き
- パーソナリティ心理学者。リーダーシップの暗黒面研究
- 活動した国
- アメリカ
- 生没
- 1937–
- 分野
- リーダーシップ
- 収録した言葉
- 2件
何をした人か
社会心理学と精神分析、進化的な視点を接続した社会分析理論を組み立て、人は集団の中で受け入れられること(getting along)と地位を得ること(getting ahead)を求めると考えた。ここから、自己認識としてのアイデンティティと、他者の中に蓄積された評判を区別し、採用や登用で予測に使えるのは評判の側だとした。もう一つの柱が暗黒面の研究である。平常時には強みに見える特性が、圧力下や気を抜いた場面で行動を歪め、対人関係を壊してキャリアを脱線させると論じた。妻ジョイスとホーガン・アセスメント・システムズを設立し、この枠組みを測定具として実装した。
その後、どう扱われているか
評判としてのパーソナリティという定義は測定の議論を整理し、ビッグファイブに基づく人物特性が職務成果を一定程度予測することはメタ分析で支持されている。ただし相関は中程度で、単独の選考基準として使えるほどではない。管理職の無能率を六五〜七五パーセントとする数字は、彼が引く推定であって厳密な母集団調査ではなく、幅をもって扱うべきである。暗黒面の尺度も、脱線の予測妥当性は示されているが効果量は控えめである。
よくある誤解
「暗黒面の特性は排除すべき欠点」と読むのは本人の主張と異なる。ホーガンは、それらが平常時には強みとして働き、負荷がかかった場面でだけ裏返ると述べており、有無ではなく条件の問題として扱っている。
主著・主要論文
- Hogan, R. (2006). Personality and the Fate of Organizations. Lawrence Erlbaum Associates.
- Hogan, R., & Kaiser, R. B. (2005). What we know about leadership. Review of General Psychology, 9(2), 169–180.
- Hogan, R., Curphy, G. J., & Hogan, J. (1994). What we know about leadership: Effectiveness and personality. American Psychologist, 49(6), 493–504.
- Curphy, G. J., & Hogan, R. (2012). The Rocket Model: Practical Advice for Building High Performing Teams. Hogan Press.
刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。