サティア・ナデラ
Satya Nadella(1967–)
二〇一四年にマイクロソフトの最高経営責任者に就き、クラウド事業への転換と並行して、評価制度や社内の競争的な風土を変えることを経営の課題として掲げてきた人物である。
- 肩書き
- マイクロソフトの最高経営責任者
- 活動した国
- インド→アメリカ
- 生没
- 1967–
- 分野
- 組織開発・変革
- 収録した言葉
- 1件
何をした人か
就任時のマイクロソフトは、Windowsを中心にした事業構造と、部門どうしが競い合う社内の風土のもとで、モバイルとクラウドへの転換が遅れていると見られていた。ナデラはクラウド基盤のAzureを中心に据え直し、それまで敵視してきたLinuxやオープンソース、他社のプラットフォームへの製品提供に方針を転換した。組織の面では、社員を相対評価で順位づける仕組みの見直しを進め、ドゥエックの「成長マインドセット」という言葉を社内の共通語として持ち込み、すべてを知っている人ではなくすべてを学ぶ人であれという言い方で説明した。最高経営責任者の役割を、文化を選び取って示すキュレーターだと表現している。
その後、どう扱われているか
在任中に業績と時価総額が大きく伸びたことはよく知られるが、これを文化の変革によるものだと切り分ける根拠はない。クラウド市場そのものの拡大、企業向け事業の構成、買収の効果など、同時に動いた要因が多い。社内に持ち込まれた成長マインドセットについては、教育場面を対象としたメタ分析で介入の平均効果は小さいと報告されており(シスクら, 2018)、企業文化の言葉として使った場合の効果は検証されていない。相対評価の見直しも、代わりに置く仕組みの設計しだいで結果が変わることが人事研究では指摘されている。
よくある誤解
文化を変えたから業績が伸びた、という因果で語られやすいが、事業構成の転換や市場の拡大と切り分けた検証はない。社内の言葉づかいを変える施策の効果も、独立には測られていない。
主著・主要論文
- Nadella, S., with Shaw, G., & Nichols, J. T. (2017). Hit Refresh. HarperBusiness.
- Nadella, S. (2017, September 21). The C in CEO stands for culture. Fast Company.(『Hit Refresh』からの抜粋)
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