コンサルティング心理学大全Consulting Psychology Compendium

スティーブ・ド・シェイザー

Steve de Shazer(1940–2005)

問題の原因を探るのをやめ、すでにうまくいっている例外を手がかりに次の一歩を決める。この解決志向アプローチを、インスー・キム・バーグらとともに作り上げた心理療法家である。

肩書き
心理療法家。解決志向アプローチの創始者
活動した国
アメリカ
生没
1940–2005
分野
対話・関係
収録した言葉
1件

何をした人か

一九七八年にミルウォーキーで短期家族療法センターを設立し、面接の録画を分析して、何を話したときに変化が起きたのかを積み上げる形で方法を組み立てた。原因の究明と解決の構築は別の作業であり、原因が分からなくても解決は作れるというのが基本の立場である。よく知られる道具立てとして、問題が起きていない時間を探す例外探し、現状と目標を数直線の上に置いて、いまは十点中の何点か、一点上がったら何が違うかと尋ねるスケーリング・クエスチョン、そして眠っているあいだに問題が解決したとしたら朝の何で気づくかを問うミラクル・クエスチョンがある。いずれも、来談者が自分の言葉で次の具体的な行動を語れるようにするための仕掛けである。

その後、どう扱われているか

解決志向短期療法は多くの効果研究の対象になり、メタ分析では小から中程度の効果が報告されている。うつや行動上の問題で、他の心理療法に大きく劣らない結果を、より少ない面接回数で得たとする報告もある。ただし研究の質には課題が残る。統制群を置いた無作為化試験は限られ、開発者に近い研究者による研究が多く、追跡期間も短い。原因を扱わないという立場が適さない場面、たとえば安全に関わる問題では、適用の線引きが必要だと指摘されてきた。職場のコーチングへの応用は広いが、そちらの検証はさらに乏しい。

よくある誤解

ここが取り違えられやすい

「前向きに考えさせる技法」と誤解されやすい。解決志向が問うのは気分ではなく、すでに起きている例外的な事実である。うまくいっていない事情を否認させるものではなく、扱う対象を絞るという方針の話である。

主著・主要論文

  1. de Shazer, S. (1985). Keys to Solution in Brief Therapy. W. W. Norton.
  2. de Shazer, S. (1988). Clues: Investigating Solutions in Brief Therapy. W. W. Norton.
  3. de Shazer, S. (1994). Words Were Originally Magic. W. W. Norton.

刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。

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