ウォーレン・ベニス
Warren Bennis(1925–2014)
リーダーシップを生まれつきの資質ではなく、経験を通じて自分を編集していく過程として描いた研究者である。大学の学長職も務め、研究者と経営実務の両側からリーダー育成を論じ続けた。
- 肩書き
- リーダーシップ研究者。リーダー育成論の草分け
- 活動した国
- アメリカ
- 生没
- 1925–2014
- 分野
- リーダーシップ
- 収録した言葉
- 2件
何をした人か
MITでダグラス・マクレガーのもとに学び、後にシンシナティ大学学長、南カリフォルニア大学教授として研究と実践を往復した。ナヌスとの『リーダーシップの王道』では九〇人のリーダーへの面接から、注意・意味・信頼・自己展開という四つの共通点を引き出した。『リーダーになる』では、リーダーになるとは自分自身の作者になることだと述べ、経験を自分の言葉に翻訳する作業を中心に置いた。晩年は世代の異なるリーダーを比較し、人を作り変える強烈な経験(るつぼ)に注目した。管理と指導を対置して語る言い回しが広まったのも、彼の影響が大きい。
その後、どう扱われているか
リーダーは育つという前提は、その後のリーダーシップ開発研究に引き継がれ、訓練の効果自体はメタ分析で確認されている。ただしベニスの方法は成功者への回顧的な面接であり、失敗した人を含む比較がない点で生存者バイアスを避けにくい。四つの共通点も尺度として引き継がれてはいない。彼の系譜にある真正性リーダーシップは、測定尺度の構成概念妥当性をめぐって強い批判を受けており、そのままの形では確立していない。育つという前提は残り、個々の処方は検証を待っている状態である。
よくある誤解
「マネジャーは物事を正しく行い、リーダーは正しいことを行う」という対句は、実証的に区別された二類型ではなく、論を立てるための修辞である。現実の管理職は両方を同時に担っている。
主著・主要論文
- Bennis, W., & Nanus, B. (1985). Leaders: The Strategies for Taking Charge. Harper & Row.
- Bennis, W. (1989). On Becoming a Leader. Addison-Wesley.
- Bennis, W., & Biederman, P. W. (1997). Organizing Genius: The Secrets of Creative Collaboration. Addison-Wesley.
- Bennis, W., & Thomas, R. J. (2002). Geeks and Geezers. Harvard Business School Press.
刊行年・出版社まで確認できたものを挙げています。邦訳の有無や版によって表記が異なる場合があります。