ウィルマー・シャウフェリ
Wilmar B. Schaufeli(1953–)
バーンアウトの研究から出発し、その対極にある状態としてワーク・エンゲイジメントを定義したうえで、それを測るための尺度をつくったオランダの産業・組織心理学者である。
- 肩書き
- 産業・組織心理学者。UWESの開発者
- 活動した国
- オランダ
- 生没
- 1953–
- 分野
- モチベーション・働きがい
- 収録した言葉
- 1件
何をした人か
定義は、活力・熱意・没頭の三つに特徴づけられる、仕事に関する肯定的で充実した心理状態である。これを測るためにユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(UWES)を開発し、十七項目版から九項目版、三項目版までを整えて多くの言語に翻訳した。もう一つの柱が、デメロウティらと示した仕事の要求度-資源モデルである。職務の特性を、消耗させる要求度と、動機づける資源の二種類に分け、要求度が健康を損なう過程と、資源がエンゲイジメントを高める過程という二つの経路で説明する。特定の職種向けの項目リストに依存せず、どんな仕事にも当てはめられる枠組みにした点が、普及した理由である。
その後、どう扱われているか
UWESは世界で最も使われるエンゲイジメント尺度になり、要求度-資源モデルも産業保健の標準的な枠組みになった。因子構造の再現性は高い。一方で、概念としての独自性には批判がある。コールらのメタ分析(2012)は、エンゲイジメントとバーンアウトの各次元が強く相関し、職務態度との関係もほぼ同じであることから、概念の増殖ではないかと指摘した。職務満足や組織コミットメントとの弁別も十分ではない。また検証の多くが横断的な自己報告で、資源を増やせばエンゲイジメントが上がるという因果の証拠は、介入研究では限定的である。
よくある誤解
従業員調査で使われる「エンゲージメント」は、多くの場合この学術的な定義ではなく、満足度や推奨意向、離職意向を混ぜた指標である。UWESの知見をそのまま社内サーベイの数字に当てはめることはできない。
主著・主要論文
- Demerouti, E., Bakker, A. B., Nachreiner, F., & Schaufeli, W. B. (2001). The job demands-resources model of burnout. Journal of Applied Psychology, 86(3), 499–512.
- Schaufeli, W. B., Salanova, M., González-Romá, V., & Bakker, A. B. (2002). The measurement of engagement and burnout. Journal of Happiness Studies, 3(1), 71–92.
- Schaufeli, W. B., Bakker, A. B., & Salanova, M. (2006). The measurement of work engagement with a short questionnaire. Educational and Psychological Measurement, 66(4), 701–716.
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