言葉大全
コンサルティング心理学・産業組織心理学・経営に関わる言葉を89件。著書・論文・記録の残る発言まで出典をたどれたものだけを、解説と出典つきで収録しました。
全89件
この一覧の収録基準
ビジネスの名言には誤って帰属された言葉が非常に多くあります。「文化は戦略を朝食に食べる」はドラッカーの著作に出典が見あたらず、「測れないものは管理できない」にいたっては、デミングが逆のことを書いています。ここでは、次の条件をすべて満たしたものだけを収録しました。
- 発言者が実在し、その人物のものだと確認できる
- 著書・論文・記録の残る発言まで出典を特定できた
- 原文(多くは英語)を確認できた
- 各ページに「原典を確認」「二次資料で確認」のどちらかを表示
- 「〇〇の名言」として流通しているが、本人の記録に見あたらない言葉
- 名言まとめサイトしか根拠が見つからない言葉
- 要約・標語化されて原文と意味がずれた言い回し
- 職場・組織・経営・心理学に関わらない発言
解説(「この言葉をどう読むか」)では、言葉をほめるのではなく、誤読されやすい点とその後の研究でどう扱われたかを書いています。研究で覆された主張は、覆されたと書きます。
科学と実務11件
ある実業家が言ったように、よい理論ほど実践的なものはない。
クルト・レヴィン社会心理学者。アクションリサーチと組織開発の源流
持っている道具が金槌だけなら、何もかもを釘のように扱いたくなるのだろう。
アブラハム・マズロー心理学者。欲求階層説と自己実現の研究で知られる
高く硬い土地では研究に基づく理論と技法が効く。だが低地の沼地には、技術的解決の効かない厄介な状況がある。
ドナルド・ショーン哲学者・教育研究者。省察的実践論の提唱者
予測力が最も高い組み合わせは、一般知的能力に職務サンプル、誠実性検査、構造化面接のいずれかを足したものだった。
フランク・シュミット産業・組織心理学者。メタ分析による選抜研究の第一人者
われわれは、いかにして最良の人を見いだし、最良の仕事を生み、最良の効果を確保するかを問う。
ヒューゴ・ミュンスターバーグ心理学者。産業心理学を創始した一人
第一の原則は、自分自身を欺かないこと。そして自分こそ、いちばん欺されやすい人間だ。
リチャード・ファインマン物理学者。ノーベル物理学賞受賞者
いま発表されている研究知見の多くは誤りではないか、という懸念が高まっている。
ジョン・イオアニディス疫学者。研究の再現性問題を提起した
証拠に基づく経営を最もうまく行うのは、何でも知る者ではなく、自分がどれだけ知らないかを深く自覚した管理者である。
ジェフリー・フェファー/ロバート・サットン経営学者。証拠に基づく経営の提唱者
経営者は自社に戦略の蛇の油を投与し続けている。信用を失った万能薬、部分的な処方、未検証の奇跡の治療法を。
ジェフリー・フェファー/ロバート・サットン経営学者。スタンフォード大学教授
透明性、開放性、再現性は、科学に不可欠の特徴としてたやすく認められている。
ブライアン・ノセック心理学者。オープンサイエンス運動の中心
理論が科学であるかどうかの基準は、その反証可能性、論駁可能性、テスト可能性である。
カール・ポパー科学哲学者。反証可能性の原理を提唱
チームと対話9件
対立を戦争としてではなく、差異の現れとして考えてほしい。意見の差異、利害の差異として。
メアリー・パーカー・フォレット経営思想家。統合による対立解決を説いた先駆者
心理的安全性とは、対人的なリスクを取っても安全だとチームの成員が共有している信念である。
エイミー・エドモンドソン組織行動学者。心理的安全性を実証研究に持ち込んだ
心理的安全性がある場所では、厳しい真実を口にすることが当然だと人々は信じている。
エイミー・エドモンドソン組織行動学者。心理的安全性を実証研究に持ち込んだ
謙虚な問いかけとは、相手を引き出す繊細な技であり、答えをすでに知っている問いは投げないことである。
エドガー・シャイン組織心理学者。プロセス・コンサルテーションの確立者
立場ではなく、利害に焦点を合わせよ。
ロジャー・フィッシャー/ウィリアム・ユーリーハーバード大学交渉学プロジェクト創設者
動機づけ面接とは、変化への両価性という誰にでも起きる問題を扱う、来談者中心の面接スタイルである。
ウィリアム・ミラー/ステファン・ロルニック臨床心理学者。動機づけ面接の開発者
ある種の関係を提供できれば、相手は自分の内に、その関係を成長に使う力を見いだす。
カール・ロジャーズ臨床心理学者。来談者中心療法の創始者
壊れていないなら直すな。うまくいっているなら続けよ。うまくいかないなら別のことをせよ。
スティーブ・ド・シェイザー心理療法家。解決志向アプローチの創始者
コーチングの効果は特定の技法によるというより、関係の質のような共通要因によるところが大きい。
エリック・デハーンエグゼクティブ・コーチング研究者
意思決定と判断12件
これは妥協ではない。どちらも欲求を削らずに、本当に欲しかったものを得たからだ。
メアリー・パーカー・フォレット経営思想家。統合による対立解決を説いた先駆者
情報が消費するものは明白だ。情報は、受け手の注意を消費する。
ハーバート・サイモン認知科学者・経済学者。限定合理性の提唱者
主観的な手ごたえは、判断の正確さを示す当てにならない指標である。
ダニエル・カーネマン/ゲイリー・クライン心理学者。判断と直観を研究した二人
測れないものは管理できないと考えるのは誤りである。高くつく神話だ。
W・エドワーズ・デミング統計学者。品質管理と経営改善の理論家
計画とは常に分析であった。これに対し戦略思考とは統合である。
ヘンリー・ミンツバーグ経営学者。戦略計画の限界を論じた研究者
戦略の本質は、何をやらないかを選ぶことである。
マイケル・ポーター経営学者。競争戦略論を体系化した人
「なぜ」を五回繰り返すことができるか。
大野耐一トヨタ自動車元副社長。トヨタ生産方式の考案者
これほど多様な研究がこれほど一方向に揃った論争は、社会科学にほかにない。
ポール・ミール臨床心理学者。臨床判断と統計予測を比較
ナッジとは、選択肢を禁じず経済的な誘因も大きく変えずに、人の行動を予測可能な形で変える選択設計の要素である。
リチャード・セイラー/キャス・サンスティーン行動経済学者と法学者。ナッジの提唱者
同じ問題でも枠組みの与え方を変えると、選好は予測できる形で移り変わる。
エイモス・トベルスキー/ダニエル・カーネマン認知心理学者。行動意思決定研究の創始者
情報の一部を無視するほうが、すべてを重みづけて足すより正確な判断になることがある。
ゲルト・ギーゲレンツァー心理学者。簡素なヒューリスティクス研究
6種類の品ぞろえのほうが24種や30種より人はよく選び、選んだ後の満足も高かった。
シーナ・アイエンガー/マーク・レッパー社会心理学者。選択肢の多さの影響を実験
組織と変革13件
文化を管理しなければ、文化のほうがあなたを管理する。しかもそれに気づかないことが多い。
エドガー・シャイン組織心理学者。組織文化論とプロセス・コンサルテーシ…
今日の問題は、昨日の「解決策」から生まれる。
ピーター・センゲ経営学者。学習する組織とシステム思考の提唱者
私たちは前提と手法の選び方によって、あとから発見することになる世界をおおむね自分で作り出している。
デビッド・クーパーライダー組織開発研究者。AI(探究による変革)の提唱者
本を生み出すだけの研究では足りない。
クルト・レヴィン社会心理学者。アクションリサーチと組織開発の源流
恐れを追い払え。誰もが会社のために効果的に働けるようにするために。
W・エドワーズ・デミング統計学者。品質管理と経営改善の理論家
優れた経営こそが、彼らが業界の首位を守れなかった最も強力な理由だった。
クレイトン・クリステンセン経営学者。破壊的イノベーション論の提唱者
コア・コンピタンスとは組織における集合的な学習であり、とりわけ多様な技能を束ねる方法である。
C・K・プラハラード/ゲイリー・ハメル経営学者。コア・コンピタンス論の提唱者
適応課題の答えは経営陣の部屋にはなく、あらゆる階層の従業員の集合知の中にある。
ロナルド・ハイフェッツ/ドナルド・ローリーリーダーシップ研究者。適応課題の概念を示した
CEOとは、組織の文化のキュレーターである。
サティア・ナデラマイクロソフトCEO。企業文化の刷新を主導
文化とリーダーシップは同じ硬貨の裏表であり、一方だけを理解することはできない。
エドガー・シャイン組織心理学者。組織文化研究の基礎を築いた
完全に成熟した大人だけを、採用し、報い、そして受け入れよ。
パティ・マッコードネットフリックス元最高人事責任者
不確実性だけが確実な経済において、持続する競争優位の確かな源泉は知識である。
野中郁次郎経営学者。知識創造理論を体系化した人
人間の条件は変えられない。だが、人間が働く条件は変えられる。
ジェームズ・リーズン心理学者。組織事故と人的過誤の研究者
学習とフィードバック13件
多くのプロフェッショナルはめったに失敗しないため、失敗から学ぶ方法を学ばずに来た。
クリス・アージリス組織行動学者。二重ループ学習と組織学習の理論家
自分が何を言うのかを見るまで、自分が何を考えているのかは分からない。
カール・ワイク組織心理学者。センスメイキング研究の中心人物
自己効力感とは、自分の生活を左右する出来事に影響する遂行水準を出せるという、能力についての信念である。
アルバート・バンデューラ心理学者。社会的学習理論と自己効力感の提唱者
こう振る舞うと本人が答えるのが信奉理論であり、実際に行動を支配しているのは使用理論のほうである。
クリス・アージリス/ドナルド・ショーン組織学習の理論家。行為の理論を定式化した
知識経済で成功するのは、自分の強みと価値観と働き方を知っている人である。
ピーター・ドラッカー経営学者。マネジメントを体系化した人
私がやった仕事で本当に成功したものは全体のわずか1%で、99%は失敗の連続であった。
本田宗一郎本田技研工業の創業者。技術者出身の経営者
一万時間という数字に、特別なものも魔法もない。
K・アンダース・エリクソン心理学者。熟達と限界的練習の研究者
成長マインドセットとは、人の能力は固定されておらず時間とともに伸ばせるという信念である。
キャロル・ドゥエック心理学者。マインドセット研究の提唱者
親切な学習環境では学ぶときと使うときの情報がよく一致し、意地悪な環境では食い違う。
ロビン・ホガース意思決定研究者。直感が育つ条件を論じた
フィードバックは平均すると成果を高めたが、三分の一を超える事例では成果を下げていた。
アブラハム・クルーガー/アンジェロ・デニシ心理学者。フィードバック介入理論の提唱者
フィードバックを受け取ることは、相反する二つの欲求が交わる地点に立つことだ。
ダグラス・ストーン/シーラ・ヒーンハーバード交渉プロジェクトの講師
未来は変えられる。過去は変えられない。
マーシャル・ゴールドスミスエグゼクティブ・コーチ。フィードフォワード提唱者
私たちが知っていることの量と複雑さは、それを正しく安全に確実に届ける個人の能力を超えてしまった。
アトゥール・ガワンデ外科医。チェックリストによる安全研究
動機づけと働きがい11件
否定的なKITAが生むのは動機づけではなく、動かされることにすぎない。
フレデリック・ハーズバーグ臨床心理学者。動機づけ・衛生理論と職務充実の提唱者
具体的で困難な目標は、ベストを尽くせと促すよりも一貫して高い成果につながった。
エドウィン・ロック産業・組織心理学者。目標設定理論の確立者
自律性・有能感・関係性の経験を支える条件こそが、最も自発的で質の高い動機づけを育てる。
エドワード・デシ/リチャード・ライアン心理学者。自己決定理論を構築した二人
まず従業員を第一に置く。従業員をそう扱えば、彼らが顧客を大切にし、顧客は戻ってくる。
ハーブ・ケレハーサウスウエスト航空の共同創業者・元CEO
松下電器は何をつくるところかと尋ねられたら、人をつくるところですとお答えしなさい。
松下幸之助松下電器産業(現パナソニック)の創業者
人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の3つの要素の掛け算で決まります。
稲盛和夫京セラ創業者。日本航空の再建を主導した
ジョブ・クラフティングとは、働く人が仕事の課題や人間関係の境界に加える、物理的・認知的な変更である。
エイミー・レズネスキー/ジェーン・ダットン組織行動研究者。ジョブ・クラフティングの提唱者
ワーク・エンゲイジメントとは、活力・熱意・没頭に特徴づけられる、仕事に関する肯定的で充実した心理状態である。
ウィルマー・シャウフェリ産業・組織心理学者。UWESの開発者
労働条件は職務要求と職務資源の二つに分けられ、それぞれ別の結果に結びつく。
エヴァンヘリア・デメロウティ産業・組織心理学者。JD-Rモデル提唱者
バーンアウトは仕事上の慢性的な対人ストレスへの長期的反応であり、消耗・シニシズム・無力感で定義される。
クリスティーナ・マスラック社会心理学者。バーンアウト尺度の開発者
創造性は、支えられるよりもはるかに頻繁に殺されている。
テレサ・アマビール社会心理学者。創造性と内発的動機の研究者
マネジメント12件
組織の問題を解く想像力や創意工夫の力は、一部にではなく広く分布している。
ダグラス・マグレガー経営学者。X理論・Y理論を提示したMITの研究者
組織でのあらゆる関わりを、成員が自分の価値と重要さを保てる支持的な経験として受け取れるようにせよ。
レンシス・リッカート社会心理学者。組織調査とサーベイ・フィードバックの…
企業における管理職の無能さの基準率は三〇から七五パーセントと推定され、近年の総説では平均五〇パーセントとされる。
ロバート・ホーガンパーソナリティ心理学者。リーダーシップの暗黒面研究
パーソナリティがリーダーシップのスタイルを予測し、スタイルが部下の態度とチームの機能を、それが組織の業績を予測する。
ロバート・ホーガンパーソナリティ心理学者。リーダーシップの暗黒面研究
事業の目的として有効な定義はひとつしかない。顧客を創造することである。
ピーター・ドラッカー経営学者。マネジメントを体系化した人
知性も想像力も知識も不可欠な資源だが、それを成果に変えるのは成果をあげる能力だけである。
ピーター・ドラッカー経営学者。知識労働者という概念の提唱者
問題と改善の余地の94パーセントはシステムに属する。それは経営者の責任である。
W・エドワーズ・デミング統計学者。品質管理と経営改善の理論家
管理者の仕事は絶え間ない速さで進み、その活動は短さと多様さと断続性に特徴づけられる。
ヘンリー・ミンツバーグ経営学者。管理者の実態を観察から描いた
良いは偉大の敵である。だからこそ、偉大なものはこれほど少ない。
ジム・コリンズ経営研究者。企業の飛躍を比較分析した
鉄道が苦境にあるのは需要を他に奪われたからではなく、鉄道自身がそれを満たさなかったからだ。
セオドア・レビットマーケティング学者。市場近視眼を論じた
マネジャーのアウトプットとは、自分の組織と、影響下にある隣接組織のアウトプットの合計である。
アンドリュー・グローブインテル元CEO。実務的な管理論を書いた
創造性は、調整や生産性や統制という正当な目的でつくられた職場で、日々意図せずに損なわれている。
テレサ・アマビール社会心理学者。ハーバード経営大学院教授
リーダーシップ8件
マネジャーは物事を正しく行い、リーダーは正しい事を行う。
ウォーレン・ベニスリーダーシップ研究者。リーダー育成論の草分け
リーダーシップ失敗の最も多い原因は、適応課題を技術的問題のように扱ってしまうことである。
ロナルド・ハイフェッツリーダーシップ研究者。適応型リーダーシップの提唱者
つまるところ、リーダーになることは自分自身になることと同義である。
ウォーレン・ベニスリーダーシップ研究者。リーダー育成論の草分け
管理者とは物事を正しく行う人であり、リーダーとは正しいことを行う人である。
ウォレン・ベニスリーダーシップ研究者。近代研究の礎を築いた
マネジメントとは複雑さに対処することであり、リーダーシップとは変化に対処することである。
ジョン・コッター経営学者。企業変革の八段階を示した
サーバント・リーダーはまず奉仕する人である。それは仕えたいという自然な感情から始まる。
ロバート・グリーンリーフ元AT&T管理職。サーバント・リーダーシップ提唱者
変革をもたらすリーダーシップとは、リーダーと従う者が互いをより高い動機と道徳の水準へ引き上げ合うことである。
ジェームズ・マクレガー・バーンズ政治学者。変革型リーダーシップの概念を示した
リーダーの第一の責任は現実を定義することだ。最後の責任は感謝を伝えることである。
マックス・デプリー家具メーカー経営者。参加型の経営を実践した