コンサルティング心理学大全Consulting Psychology Compendium

アプリシエイティブ・インクワイアリー

Appreciative Inquiry 4-D

問題の指摘が続く場では、発言が防御と責任の回避に向かい、話し合える範囲がかえって狭まる。うまくいった経験を起点にすると、参加者は自分の体験を語る側に立てる。その延長として望ましい状態を描く…

使う場面

問題の指摘が繰り返され、話し合いが後ろ向きに固まっているとき。

なぜ効くのか

問題の指摘が続く場では、発言が防御と責任の回避に向かい、話し合える範囲がかえって狭まる。うまくいった経験を起点にすると、参加者は自分の体験を語る側に立てる。その延長として望ましい状態を描くため、実現の手がかりも自分たちの中から出やすくなるとされる。ただし、不正や安全に関わる話題を扱う場には向かない。

手順

  1. Discovery:うまくいった経験を、互いに聞き取る
  2. Dream:その延長にある望ましい状態を描く
  3. Design:実現に必要な仕組みと役割を設計する
  4. Destiny:小さく始める担当と期限を決める

使用例

ある場面から

統合から二年が経っても旧組織の隔たりが残る部門で、進行役が四つの段階に沿った場を開いた。双方の出身者が「助かった」と感じた場面を互いに聞き取るところから始め、引き継ぎ手順の共通化が最初の行動として決まった。扱わない話題があることは、冒頭で明示していた。

注意点・限界

ここを外すと効かない

深刻な不正や安全上の問題を扱う場には不向きで、前向きな語りが問題の隠蔽につながる。扱わない話題があることを最初に明示する。

使う前のチェックリスト

  • この場面は、本当にこの技法が向いているか
  • 注意点に書かれた失敗パターンに当てはまっていないか
  • 相手に、何のためにこれをするのかを伝えたか
  • やったあと、何がどう変わったかを確かめる方法を決めたか

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